AKB48の公式ライバル 乃木坂46の誕生

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乃木坂46は、2011年夏に結成されたグループだ。

 

AKB48がスタートしたのが2005年12月なので、その6年後に誕生したことになる。

 

総合プロデューサーは、AKB48の総合プロデューサー秋元康氏が就任し、AKB48の「公式ライバル」と喧伝された。

 

ただ運営母体はSME(ソニー・ミュージックエンタテインメント)の子会社で、AKB48の姉妹グループではないとされた。

 

そのせいか、AKB48のようなアルファベット3文字を用いず「乃木坂」、数字も48ではなく「46」。

 

グループ名からして、AKB48とは別の路線のアイドルグループを作ろうという意気込みが読み取れた。

 

ただグループ名の「乃木坂」は、オーディションが行われたSMEのビルの所在地だが、「46」の由来は未だにハッキリしない。

 

AKB48人気にあやかりたいが、48という数字を付けると姉妹グループになってしまうため避けた。

 

そしてもし人気が出なかったら、46から48に「格上げ」して、AKBの姉妹グループに編入する腹づもりだったのかもしれない。


 

乃木坂46の差別化戦略とは

乃木坂46は、AKB48の公式ライバルという設定で活動を始めたため、AKB48との差別化が大きな問題となった。

 

そして結論から言うと、「ロングスカート」「私立のお嬢様学校風」「紫色」といった方向性で定まった。

 

因みにAKB48グループにはチームカラーがあり、AKBはピンク、SKEはオレンジ色、大阪のNMBは茶色に黒の斑点(ヒョウ柄)、博多のHKTは黒(石炭色)だった。

 

またAKB48グループの劇場公演衣裳は、ミニスカートやショートパンツ(ホットパンツ)が多く、しかも肌の露出が多い。

 

雑誌のグラビアでも、高校生以上のメンバーは三角ビキニの水着で載っていたりした。

 

昭和のアイドル恒例の水泳大会みたいな企画もあって、水着姿のメンバーも見ることができた。

 

そこで公式ライバルの乃木坂46は、逆に肌の露出を抑えて売り出すという作戦に出た。

 

すなわち「ミニスカートやショートパンツは履かない」「水着グラビアはやらない」という感じだ。

 

もちろんこれは「イメージ戦略」であって、実際の衣裳は、ほとんどが膝上10センチ以上のスカートが多い。

 

またデビュー曲のジャケット写真はミニスカートだし、カップリング曲もAKB48とほぼ同じようなミニスカートでミュージックビデオが撮影されている。

 

メンバー個人の写真集では、水着やランジェリー着用の写真が載っている。

 

乃木坂46 会いたかったかも知れない

AKB48への挑戦状とも言うべき「会いたかったのそっくりMV」では、普通にミニスカートを履いてるし。

 

乃木坂の衣裳にミニスカートやホットパンツタイプのモノは殆ど無いが、いわゆる「絶対領域」と呼ばれる太もも当たりまでは出している。

 

ただ衣裳のデザインとしては、ワンピースや、腰の位置が高いハイウエストのスカートにしているため、ミニスカートのように見えないだけだ。

 

乃木坂の制服やシングル曲の衣裳がロングスカートになったのは、実はそんなに古くからではなく、ファッション誌の専属モデルに採用されるメンバーが増えてから以降ってことらしい。

 

白石麻衣が、74着の乃木坂46衣裳で「ガールズルール」を歌う

白石麻衣が自身のYouTubeで、卒業前に乃木坂衣裳で、自身初のセンターシングル曲のガールズルールを歌うという企画。

 

スカートの丈に注目してみると、膝上10センチとか15センチくらいが多いことが分かるし、もっと高い位置のスカートも多いことが分かる。

 

ただAKB48衣裳よりロングスカートが多いのは、差別化されてるところかな。

 

AKB48グループを、徹底的に利用して知名度を高める

そして乃木坂46は、AKB48の公式ライバルという設定を利用して、知名度を上げていった。

 

すなわち、新曲を出す度にAKBや姉妹グループの冠番組に「挑戦者」としてゲスト出演したり、AKBの姉妹グループ間で競い合うような企画にも参加していた。

 

AKB48メンバーの指原莉乃のソロ曲発売日に、乃木坂の新曲発売日をぶつけて、売上げ枚数対決をしたりもした。

 

そもそもデビュー曲「ぐるぐるカーテン」も、AKB48の恒例イベント「リクエストアワー」にサプライズ出演して披露したしね。

 

AKBグループのファンから、乃木坂を推してくれるファンを引っ張ってくるという作戦だったのだろうけど。

 

女性ファッション誌のモデルとして認知度アップ

そうしてAKB48の公式ライバルという設定を、目一杯利用しつつ、「乃木坂らしさ」を模索する日々が続いた。

 

その結果、辿り着いたのが「モデル路線」で、白石麻衣を始めとするスタイルの良いメンバーを、女性ファッション誌のモデルに送り出し始めた。

 

もともとモデル業界にアイドルが進出するのは、風当たりが強かったようだ。

 

モデルはモデルとしての品格があって、モデルの世界にキャピキャピしたアイドルが立ち入ることに嫌悪感があったらしい。

 

しかし乃木坂46ができた頃にはもう、AKB48の小嶋陽菜や篠田麻里子、板野友美などのメンバーが既にモデル雑誌デビューして専属モデルを務め、人気が出ていた。

 

そのため乃木坂46メンバーがファッション雑誌に登場したり、専属モデルになったりするのには抵抗が少なく、そこから新たな女性ファンを獲得することに成功した。

 

乃木坂46ファンには女性も多いが、そういうビジュアル面から入った人も多いだろう。

 

そうしてAKB48ファンから移ってきたファンに加えて、乃木坂46からファンになった人が増えていき、曲もだんだん「エレガントな若い女性」っぽく変化してきた。

 

そうしてデビュー曲でセンターを務めた生駒里奈も、白石麻衣にセンターを譲って徐々に後列に退いていった。

 

ガールズルールで新境地、インフルエンサーでレコード大賞

ガールズルールは、センターが生駒里奈から白石麻衣に交代した最初のシングル曲だ。

 

振り付け担当者も替わり、それまでセンターを務めていた生駒里奈は、2列目のセンターに後退して、アップも2分50分くらいまでない。

乃木坂46 ガールズルール MV

 

フジテレビの恋愛リアリティショウ「テラスハウス」で、AKB48の北原里英に告白して振られた菅谷哲也さんがMVに登場してるのも、ちょっと話題になったね。

 

ガールズルール以降、乃木坂46はセンターメンバーを固定せず、生田絵梨花・西野七瀬・斉藤飛鳥など、様々なメンバーをセンターに置きつつも、エレガントな若い女性を演じ続けることになった。

 

そうしてとうとう「インフルエンサー」で、レコード大賞を受賞するまでになり、神宮球場と隣の秩父宮ラグビー場の2会場を同時に使ってコンサートを行うという離れ業までやってのけた。

 

インフルエンサーの振り付けは、なかなかの難易度で、SKE48ファンの私でも「乃木坂46は、とうとうこのレベルまで来たのか!」という感じだったね。

 

乃木坂46 インフルエンサー MV

 

バナナマンの日村さんが振り付けを覚えて、テレビ東京音楽祭で「ヒム子」としてパフォーマンスに参加したのも話題になったね。

 

乃木坂46の唯一の残念な点は、国民的ヒット曲が出ないうちに主力の人気メンバーが卒業していくことだ。

 

デビュー曲でセンターを務めた生駒里奈も既に卒業し、ガールズルールでセンターを務めた白石麻衣も卒業してしまう。


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